『「ストレス耐性」強い人の共通点は』を批判的にみてみる
サワヒロです。こんにちは。
Yahooニュースにて
「ストレス耐性」強い人の共通点は
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130327-00000006-rnijugo-life
というニュースが人気のようです。
この記事を読みまして、わたしはまだまだ若輩者ですが、ちょっと批判的に見てみたいと思います。
ストレスが今たまっている方。
ストレスとのうまいつきあい方を知りたい方。
ストレスへの対処法を知りたい方。
ぜひお読みくださいませ。
まず、上記のニュースを簡単にまとめますと、以下のような内容になります。
- 現代社会において、ストレスの問題は非常に大きい問題。
- しかし、同じ状況においてもストレスを強く感じている人とそうでない人とがいるが、それは個人のメンタルタフネスの違いと考えられる。
- そのメンタルタフネスの個人差は脳の中の『扁桃体』という部位の機能が関係しているが、この『扁桃体』を直接鍛えることは難しい。
- そこで、ストレスへの対処としては「受けるストレスを減らそうとする」のではなく「受けたストレスをどう発散するかが大切」である。
- ストレスは受けて当然のものと考え、その日一日、その一週間で溜まったストレスを定期的に発散する工夫をすることが重要。
- 具体的なストレス発散のコツとしては「自分のための時間」を作ること。自分が楽しめることに没頭する時間を、たとえ短時間でも意識的に作り、「自分のために時間を使えた」という実感を持つことが大切。
といった内容でした。
この中で、
「ストレスは『受けて当然のもの』と考えるべき」(上記ニュース記事より引用)
これはまったく同感です。
しかし一部、どうにも引っかかるところがあります。それは以下の点です。
「メンタルタフネスやストレス耐性の個人差は、扁桃体の感受性によって生まれるといえるでしょう」
ならびに
「受けるストレスを減らそうとする努力より、受けたストレスをどのように発散するかが大事」
(それぞれ上記ニュース記事より引用)
という箇所です。
なんか…「脳の構造は生まれつきなんだから、そこはもう変えられないよ」といわれると、なんだかガッカリしません?
わたしはガッカリしました。
もちろん「頑張ればなんでもできる!」なんて甘いことを言うつもりはありません。
ですが、人間の持つ可能性は、生まれつきのものだけで安易に決まるわけではないと思いませんか?
こういうわたしなりの考えに基づいて、人間の持つストレスに対する個人差とそれも含めたストレスへの対処法について、考えてみたいと思います。
ストレスとそれへの反応の個人差について、ラザルスという人物が提唱した「心理学的ストレスモデル」と呼ばる理論があります。
この「心理学的ストレスモデル」を非常にざっくりと説明します。
まず人はストレスのもととなる出来事に遭遇したときに、それをどう認知するか、どう受け取るかの個人差があります。
そしてその出来事が自分にとってストレスであると評価したときに、初めてその出来事はその人にとってストレスフルになる(一時的評定といいます)のです。
そして、ストレスフルであると考えたときに、それがどれくらいの影響があるのかといったことを考え、それへの対処法があるかどうかといったことを考えます(二次的評定)。
こうしたプロセスを経て、初めてストレス反応へとつながっていくのです。
…わかりにくいですね(汗)
具体例をあげましょう。
例)上司と二人で、仕事をしなければいけなくなった。
この場面では、まず上司のことを「苦手と思っているかどうか」によって、その出来事の「重み」が変わります。
また、仮に苦手だと思っていても、たとえば「苦手だけど、前に野球の話をしたときにわりとノッてきてくれたから、話せばわかるかな」などと対処法を考えられると、気持ちが楽になります。
しかし「上司のことは苦手だ」と思い、「二人でなにを話せばいいかわからない」と対処することもできないと思うと、「胃が痛い」とか「頭が重い」といったストレス反応につながるのです。
確かに、こうして感じたストレス(ストレス反応)に対して、ニュース記事にあったように仕事が終わってから没頭する時間を作るなどして、発散することも大切です。
ですが、そもそも上司との仕事をストレスだと思わないようになれば、ストレス反応が生じることもありませんよね?
これは言うならば、「風邪を引くのは当たり前だから、なったら薬を飲みましょう」と考えるのか、「風邪を引かないように日ごろから免疫力を高めるよう心がけましょう」と考えるのか、ということなのです。
できるなら、最初から「風邪を引かないように」、つまりはその場面をストレスだと思わないようにしたいですよね?
そのための方法としては、たとえば
- 「あえていろいろ話しかけて、もっと上司のことを知るようにしてみる」
- 「なぜ苦手だと感じるのか自分のことを見直し、自分が変えられるところを考えてみる」
- 「単に嫌な出来事ととらえるのではなく、苦手な人と話をすることで自分が成長するきっかけとなるととらえ直す」
といった考え方があります。
こうすることで、単純に「ストレスなんだからしょうがない」と考えてあとから気晴らしをしようとするよりも、自分の変化・成長にもつながる可能性があると思いませんか?
いま、脳科学の分野は盛んに研究がなされています。
その結果として、「脳の構造の問題が個人差の原因」ということが明確になったとして、そこだけに原因をおいてしまうことは危険だと思います。
個人でできること、物の見方や考え方を変える、そうした努力や工夫をすること、それが人間の持つ力なのではないかと私は思います。
ですので「もともとこうなんだからしょうがない」とあきらめるのではなく、ちょっと先のことを考えながら、できることに向かって頑張ってみませんか?
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タグ:ストレス, メンタルマネジメント, 心を強くする方法, 心理メカニズム
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